終活を行う中で便利な道具として「エンディングノート」というものがあります。
これは自分のお葬式の希望や告別式に呼んでもらいたい友人のリストを作成したり、自分の生い立ちから「自分史」をまとめて見たり、自分が亡くなった後、残された家族に宛ててメッセージを残したりと遺言書のように堅苦しくなく、むしろ遺言書には書ききれない「想い」を書き留めておくノートなのです。
形式や内容について決まったものがあるわけではないので、文房具屋さんでノートを買ってきてもいいですし、いまでは書店に行くとていねいな解説までついたエンディングノートも出回っています。
終活あんしんネットワークの終活セミナーでも、参加いただいた方に、エンディングノートを無料で差し上げていますので、ぜひ一度、終活セミナーにお越しください。
存命中や死後の家族の負担を減らすことはもちろん、自分自身の人生を振り返り、エンディングへ向けて、今日を如何に生きていくかを考える教材としても活用できます。
「終活」を始めるのに、一番手軽な道具として「エンディングノート」ですが、買ってもなかなか書き始められない方も多いようです。 まずは、ノートに自己紹介を書くことからはじめてみてはいかがでしょうか?好きな食べ物や、趣味、友達づきあいなど・・・。成年後見の実務においても、その人が判断能力があった時の様子を知ることは、その人らしい生活をおくっていただくのに、とても役立つことなのです。
エンディングノートを準備して、まず自分のプロフィールを簡単に書くところから始めました。さて、次に何を書きましょうか?そのまま自分の生い立ちから自分史を書いていく?葬儀の方法や、告別式に呼んでもらいたい人のリスト?それもいいですが、まず、「感謝の気持ち」を表してみませんか。自分の終焉には予定が決まっていません。それならば、今の自分の心を残していきましょう。人に感謝し、出会いに感謝する。人生を感謝の心で満たすことが、「終活」を成功させるカギかもしれません。
エンディングノートはコツコツと書き溜め、場合によっては書き直していくことのできるノートです。そのため保管場所はいつで手にとれるところがいいでしょう。ただ、自分の預金口座や財産などの記載がある場合、第3者の目に入る場所に置いておくのは心配です。そこで、切り離しができるファイルやクリアケースを活用してみてはいかがでしょうか。それならば修正や追加も簡単にできますので、気負わずにノートに向きあえることでしょう。
「平穏死」という言葉をご存知でしょうか?末期の患者が胃ろうなどの延命治療を受けずに自宅で自然に亡くなっていくことを指す言葉として、最近耳にするようになりました。また、あらかじめ自分には延命治療はしないでほしいと「尊厳死宣言」として書面に残す方も、いらっしゃいます。このように自分の最後の時をどう迎えるか?もしもの時、家族にどのように対応してもらいたいのか?これをエンディングノートに書くことも大切な終活になります。
今回はエンディングノートから少し離れたお話です。
「終活」という言葉も、ずいぶんあちこちで耳にすることが増えました。最近では葬儀会社を中心に終活セミナーや終活イベントもあちこちで開催されています。そこで先般、私も他所の終活イベントに参加してみました。いろいろな企業がブースを出している中、ある葬儀会社では棺桶が置かれており、なんと入棺体験をさせてくれるとのこと。ちょっといい気持ちはしませんでしたが、思い切って棺桶に両足を突っ込んで横たわってみました。・・・狭い。痩せねば。
入棺して何を思うかは人それぞれで、「家を片づけなくては。」「人って死ぬとき何も持って行けないんだなあ~。」など、10人いれば10通りの答えが返ってくるそうです。また、聞くところによると入棺体験をしたことのある方は、かえって長生きするそうですよ。
機会を利用して体験してみる。
これも終活の実践です!
8月は暑い日々が続きますが、この時期はお盆や夏休みで久しぶりに親戚が集まったり、お墓参りをしたりと、終活を考えるのにはいいきっかけとなるイベントが盛りだくさんです。故人のことをしのびながらも、自身の葬儀についての弔われ方や、お墓のことについて、自分の希望を周りの親族に聴いてもらい、意見を交換する時間を持つことに意識してとってみてはいかがでしょうか?その時、エンディングノートなど持っているならば、広げてみて話題にしてみるのも意外な意見が聴けるかもしれません。
こういうお話を聞きました。 ある日、救急隊員から電話があり、「息子さんですか?お父上が倒れられて、現在病院に搬送中です。お父上が普段飲んでいる薬の種類を教えてください。」「通院しているかかりつけの病院は?」と、遠方に暮らしているお父さんのことについて矢継ぎ早の質問があったそうです。
あなたならば答えられますか?身内の医療に関する情報が解るようになっているでしょうか?エンディングノートを活用して、医療情報をまとめ、身内へ伝えておくことは万が一の時のためにしておかなくてはなりません。